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* * *
「…あ! 山田じゃん!」
名前を呼ばれておれは振り返ったが、目を疑った。
そいつは大きい鼻を引くつかせ、図太く短い首、薄いピンクの肌は人のようで人ではない。喋る度に大きな三角の耳。
顔だけがブタの友人らしい人物。
だれだ?
「高校卒業して以来だな」
「…ああ、そうだな」
ブタの男はおれをじっと見つめた。
「あれ? もしかして覚えていない? おれだよ。沢田だよ」
「…沢田」
名前を聞くとぽっと思い出したのが二年の時、同じグループにいたような…いなかったような…
「二年の時、同じクラスだったよな」
ちらっと沢田を見た。
「うん、そうだよ」
顔にしわを寄せて、うなずいた。笑った顔らしい。
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