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「今日は休みかい?」
「ああ」
「おれは仕事だよ。ほら、スーツ着てさ、サラリーマンっぽいだろ?」
「そうだな…お疲れ様」
「あのさ、もしよければなんだけど、お昼を一緒に食べないかい?」
「ああ、いいけど…」
おれが言葉を詰まらせると、沢田はまたあの笑顔を見せた。
「もちろん、今日はもう仕事が終わって直帰なんだ」
「そっか! それなら安心だな」
おれ達はお互い笑い、店をどこにするかと話しながら町を歩いた。
普通の人には沢田は「人」の顔に見えるらしい。
店員は何事もないようにおれ達を席へと案内した。和食の店で、ランチの時間から少しずれていて、店には人が少なかった。
おれ達はメニューを見ながら世間話に花を咲かせた。それから、お互いに決めたのを確認すると店員を呼び、それぞれ注文した。
「海鮮丼を単品で」
「トンカツ定食。ご飯は大盛で」
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