贈り物

2/7
前へ
/7ページ
次へ
「あなたをずっと見ていてね、ちょっとしたプレゼントをね。明日が楽しみだわ。」 そしてその人(?)は消えた。 翌日、学校へ行くと、下駄箱から机から、チョコらしきプレゼントの山が。 「なんだこれは!?」周りの女子たちが僕を見てソワソワしている。下校時も数人からチョコをもらった。昨日のアノヒトは、僕にモテ期をくれたのかな? そして家に帰って鏡を見て驚く。まったくの別人がそこにいた。 恋愛ゲームに出てきそうなイケメンだ。僕なの!?頬をつねって、ひっぱたいた。痛い。 性格の良さに加え、このイケメンとくれば、女が放っておくわけがない。 LINEが鳴りっぱなしだ。 この2月14日から彼の生活は一変した。女性に好意を持たれるのはいい気分だ。 そしていつしか、彼の性格は変わっていった。最高の容姿を手に入れ、女子にチヤホヤされ、 美しくないものを見下すようになった。おこづかいに困れば、 取り巻きに頼めば、おごってくれるし、王様気分だった。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加