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__ピッピッピッ。 規則正しい機械音を聞きながら志保の手を握りしめていると、いつの間にか壁に掛けられた時計の太い針が二本重なった。 「…志保。2月14日だ。70回目の記念日おめでとう…」 すると、その瞬間。 何度呼び掛けても反応がなかった志保が、僕の手を微弱だが握り返したような気がした。 「志保!?わかるか!?」 やはり気のせいではなかった。 震える瞼がゆっくりと開かれると、ぼんやりとこの顔を見つめる。 すぐにナースコールのボタンを押そうとした瞬間、志保がこの手を掴んだ。 「…引き出し」 掠れた声でそう言うと、志保は震える手でベッドの枕元にある引き出しを指差した。
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