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「それにあの子なら平気だよ。いつもヘラヘラしてるから」
…ヘラヘラ?
俺の脳裏には、さっき体育館裏で一人泣いていた志保の姿が浮かぶ。
「…お前ら最低だな。普通に考えて平気でいられるわけがないだろ?そんなこともわからないのか?」
「と、いうより。大毅に関係ないでしょ」
鼻で笑う女子をギロリと睨む。
確かに臆病な俺は、志保から避けられたまま距離を縮める努力もしなかった。
だからこの現状にも気づけずにいたし、今更こんなことを言う権利がないということぐらいわかっている…。
__だけど!
「志保は俺にとって大切な存在なんだ。これ以上、何かしてみろ。俺が絶対に許さないからな!」
「…っ」
両肩をビクッと肩を張り上げた女子を放って、俺は教室から飛び出した。
スマホを取り出し久しぶりに志保の番号に電話を掛けても繋がらない。どうやら電源を切っているようだ。
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