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「冷た!?何やってるんだよ!川に入るのは夏だけにしろよ!」 「…(だい)ちゃん」 バシャバシャと水飛沫を飛ばして志保に近づくと、切れ長の瞳をゆらゆらと揺らす。 …大ちゃん。 久しぶりに聞いた呼び名。 その瞬間、まだ間に合うと思った。 _俺達は、まだやり直せる。 「おい。風邪でも引いたらどうするんだよ」 「…バカは風邪なんて引かない」 志保はスカートの裾を両手で握ると、唇を噛みしめる。そして瞼の縁には、透明な雫をぶら下げていた。
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