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それから俺と志保はこれまで離れていた時間を埋めるように、二人で同じ時間を過ごした。 高校を卒業するのと同時に、地元でアパートを借りて同棲を始めた。 そこは幼馴染みという特権で、お互いの両親とも交流があった故に賛成はされても反対はされなかった。 俺は地元の電気メーカーに就職をし志保は家で家事全般を受け持ち、なんとかこなしていた。 そして暫くして、俺達は結婚した。 すぐに長男が生まれて、志保は家事に育児にと忙しくしていた。 俺はその頃、昇進し仕事が忙しくなり家のことは志保に任せっきりにしていた。 しかし休みの日には家族三人で出掛け、子供の行事には必ず夫婦二人で参加した。 そのうち次女が生まれ益々家庭が賑やかになって、子供達が反抗期や思春期といった年頃を迎える頃には、最初は頼りなかった志保もいつの間にか大木のようにどっしりと構えた頼れる母親となっていた。
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