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_いつからだろう。俺達の間に距離ができてしまったのわ。 人よりも物覚えが悪くて不器用で周りと馴染むのが苦手な志保は、何処に行くにも俺の後を付いて回っていた。周りからは「金魚のふん」だなんて呼ばれていたけれど、別に迷惑だなんて思ったことはない。 なのに小学校の高学年になると、志保の方から離れていった。それでもまだ、一緒に遊ぶことだってあったし今のようにあからさまに避けるようなことはしなかった。 それが中学生と高校生となるにつれて、いつの間にか俺達の間には見えない壁ができてしまった。 「はぁ…」 白い溜め息がモワモワと空に消えていく。 __今日は2月14日だ。 今年も志保からのチョコレートは期待できないだろう。
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