1/1
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ

__ピッピッピッ。 規則正しい機械音を聞きながら、白いベッドの上で眠っているキミの手を握り締める。 細くて皺だけの手。 この手にも、同じように二人で生きた歳月が刻まれている。 「いつの間にか年老いてしまったね…」 そっと話しかけても、目を閉じたまま答えてはくれない。 _あと10分で今日が終わる。 「…もう少しで2月14日だ。一緒にお祝いしないとな」 __バレンタイン。それは二人の70回目の記念日だ……。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!