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__ピッピッピッ。 規則正しい機械音を聞きながら、白いベッドの上で眠っているキミの手を握り締める。 細くて皺だけの手。 この手にも、同じように二人で生きた歳月が刻まれている。 「いつの間にか年老いてしまったね…」 そっと話しかけても、目を閉じたまま答えてはくれない。 _あと10分で今日が終わる。 「…もう少しで2月14日だ。一緒にお祝いしないとな」 __バレンタイン。それは二人の70回目の記念日だ……。
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