【三】

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 数年後、図書室の図鑑を眺めていると、偶然オーロラの頁を目にした。  そこには『日本では、北海道で稀に観られる』が、観測のメッカは北欧で、アメリカのアラスカやカナダの北など、極北地域でしか見られない特殊な現象だと書いてあった。  つくづくあの時誰かに話さなくて良かったと、胸を撫で下ろしたものだ。  実のところ、他にも経験している。  僕の足元、数センチ先に『雷』が落ちた事があった。  これも、きっと誰も信じてくれないだろうからと黙っているが――  空から細い光線のようなモノが一直線に飛んできて、目の前の地面に落ちた。それが地面にぶつかった瞬間、ポッと光り、ほわんと消えた。  僕は変なのだろうか?
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