【終章】

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 そうだ。  そうだ。  そうだった。  そうだったな――  こいつは、そう言う人間だ。  自分は、こいつのこんなところに惹かれたんだった。 「うん。子供の頃にな……」  一通り話し終えると、「かなり稀なケースらしいが、気象条件が合致するとその可能性は否定できないと聞いたことがあるぞ……」そうやって、生真面目な表情で『東京でオーロラを観測できる条件』についての説明を事細かに始める。  そのうち、雷の話をしてみようか――    きっと……今みたいに生真面目な表情で、『その可能性』について紐解いてくれるんだろ?
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