▽エピソードその十三▽

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ボクの忠告は彼女の耳に入らない。入っていたのかもしれない。だけど彼女は攻撃の手を緩めることなく、ボクは完全に敗北宣言をするしかなかった。 「あっ。」 「うっ。」 二人の声は同時だった。 「ゴメン。」 「いいの。わかってたから。」 既にボクのほとばしりは彼女の祠の奥底へ流れ込んだ後だった。 「ちょっと苛めたくなったの。アッくんのイク時の声が可愛いから。女の子みたい。」 なんだか照れくさいような嬉しいような。それでも彼女はボクの剣にやさしく触れ、 「もうおしまい?そんなわけないよね。」 そう言って、にっこりと微笑む。 ボクもまだまだ二回戦や三回戦へのチャレンジには体力的にも自信があった。 「次は簡単に降参しないぞ。」 「うふふ。」 彼女は再びボクの剣を祠へと導く、その何ともいえぬ感触を覚えている剣は、再び躍動を取り戻すのに無駄な時間は不要だった。 今度はボクが攻める番だ。彼女のウイークポイントはある程度わかっている。店にいるとき最も逃げ腰になっていたのはウエストラインへのタッチであった。     
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