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この時のボクの感情は決してウソではなかった。見た目にも、ごく普通の女の子に見える彼女のことを至極気に入っいってしまった。その証拠にボクは1セット目が終わるまでずっと彼女の唇を求めていたし、彼女の体を離さなかった。吐息や首筋から放たれている何ともいえぬやさしい匂いがボクを魅了させずにはいられなかったのである。
やがて1セット目が終わるタイミングが来た時、それがこういったお店のシステムなのだろう、場内アナウンスが何かを喋っていた。
「お兄さん、もう時間が来たって言ってます。」
「もう少し居たいんですが、延長ってできるんですか?」
「もちろんです。延長してくれるんですか。うれしいです。」
ボクはまだこういう店のシステムを詳しく理解していない。しかし今は、システムがとか料金がとか言うよりも、彼女と一緒に過ごせる時間を楽しみたい。ただそれだけしかなかった。ボクは財布を取り出して延長を申し出た。
「ありがとう。」
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