▽エピソードその二▽

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「ボクの名前を覚えてくれますか?」 ボクは鞄から名刺入れを取り出した。 彼女はクリッとした目で、なぞる様にボクの名刺の文字を追いかける。 「フドウ、アキラさん?」 「はい。そろそろ敬語じゃなくてもいいかな。お互いにホントの名前も知り合ったし。」 「うん。」 「アッくんって呼んでくれるとうれしいな。小さい頃、近所の女の子たちからはそう呼ばれてたし。」 「じゃあ、アッくん。」 「なあに、ミウちゃん。」 「私もミサでいいよ。」 「ダメだよ、お店の中では。誰が聞いてるかわからないからね。それよりも、お願いしていいかな。」 彼女は不思議そうな顔をしてボクを見つめた。 「膝の上に乗ってもらってもいい?」 ボクは遠慮がちにお願いしてみた。 すると彼女は何も言わずに、ニッコリと微笑んでボクの膝の上に乗ってきてくれる。 この体勢になると彼女の胸の膨らみが、ボクの目前に現れることになる。そしてボクは嘆願するような眼差しで彼女を見上げた。 「おっぱいにキスしてもいいですか?」 「敬語じゃなくていいって言ったのはアッくんだよ。」 「そうだったね。」 そしてボクは彼女の胸の中に顔を埋める。 そんなタイミングで何かしら場内アナウンスが流れたようだ。
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