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「ボクの名前を覚えてくれますか?」
ボクは鞄から名刺入れを取り出した。
彼女はクリッとした目で、なぞる様にボクの名刺の文字を追いかける。
「フドウ、アキラさん?」
「はい。そろそろ敬語じゃなくてもいいかな。お互いにホントの名前も知り合ったし。」
「うん。」
「アッくんって呼んでくれるとうれしいな。小さい頃、近所の女の子たちからはそう呼ばれてたし。」
「じゃあ、アッくん。」
「なあに、ミウちゃん。」
「私もミサでいいよ。」
「ダメだよ、お店の中では。誰が聞いてるかわからないからね。それよりも、お願いしていいかな。」
彼女は不思議そうな顔をしてボクを見つめた。
「膝の上に乗ってもらってもいい?」
ボクは遠慮がちにお願いしてみた。
すると彼女は何も言わずに、ニッコリと微笑んでボクの膝の上に乗ってきてくれる。
この体勢になると彼女の胸の膨らみが、ボクの目前に現れることになる。そしてボクは嘆願するような眼差しで彼女を見上げた。
「おっぱいにキスしてもいいですか?」
「敬語じゃなくていいって言ったのはアッくんだよ。」
「そうだったね。」
そしてボクは彼女の胸の中に顔を埋める。
そんなタイミングで何かしら場内アナウンスが流れたようだ。
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