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「もう、あのお客さん帰ったから、今の指名はアッくん一人よ。これでゆっくりできるわね。私もアッくんだけがいい。」
まあ、こんなことを言われて嫌だと思う客は一人もいるまい。
「じゃあ、よろしくしてくれる?」
「うふふ。」
彼女は黙って抱擁と口づけを与えてくれた。
と同時に次のアナウンスが流れた。
=ミウさん十一番テーブルアタックタイム=
そう、時間が来たから延長をお願いしなさいという合図である。
「アッくん、どうするの?」
「今日もアタックしてくれたらいいんじゃない?」
本当は2セット分先払いできるらしいが、ボクはわざと1セットずつ支払うのだ。ミウはまだ慣れてないのか、アタックの仕方が上手くない。ボクは少し意地悪な感じで、「お願い」って言わせる。すると彼女は恥じらいながら「アッくんお願い、もう少し一緒にいて」って甘えるように唇を合わせてくる。またこの時の仕草や声がたまらなく可愛いのである。
ボクは「仕方がないな」なんて言いながら延長料金を支払うことになるのであるが、まさか、この時のボクの顔ったら、きっと鼻の下が抜群に伸びているに違いない。
支払の処理が終わると、彼女はボクのシートに戻ってきて、ボクの膝の上に乗ってくる。
そして、しなやかな動きでボクを魅了する。
ボクは片膝をついた体勢で彼女を仰向けにし、動きの自由を奪う。そして愛でるように彼女を弄ぶのである。
彼女の顔を上から覗き込むようにじっと見つめると、
「見つめられると恥ずかしい。」
と言って、ボクの目線から逃げるように顔をそらす。すると首筋のラインが露になり、ボクは吸い込まれるようにうなじを襲い始める。そこからボクの唇は徐々に胸の丘陵へと移動を始め、その頂点を征服するころには、再び彼女の唇を所望したくなるのである。
この日のボクは、ただひたすらに彼女を堪能したかった。
どうしても残るモヤモヤ感はボクのズボンの中で暴れてはいるけれど、彼女のニッコリとした清楚な笑顔がボクを尋常な状態に引き戻してくれている。
指名がボクだけになっているとあって、途中で一度トイレに立った以外は、ずっとボクのそばにいてくれた。ボクの体中がミウの匂いで充満されるほどに。
そして今宵のグッバイタイムが来るのである。
「また時間が来たって言ってるけど、どうする?」
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