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「だけど何があるかわかんないから、まだ飲むなよ。」
「わかってるって、そのわかんない何かのためにちょっと寝るだけさ。」
「まだ寝るのか。昼間は散々寝たんだろう?」
「若い時は睡眠が一番のご馳走さ。平日なんて特にそう思うぜ。」
確かにそうかもしれない。ボクも休みの日には遅くまで寝ていたいクチだ。
「ところでアキラ先生。」
ヒデは何か含みを持ってボクに対する時、必ずボクの名前を先生と呼ぶ。
「今度はなんだい。」
「ここ最近『ピンクシャドウ』へ足が向いてるそうじゃないか。」
「知らんよ。誰がそんなデマを流してるんだ。」
確かにボクはここひと月ほどの間に、ボクにしては頻繁に足を運んでいた。しかし、注意もしていたし、ヒデにもケンさんにも出くわすことはなかったはずだ。
「へっへー。おまいさん、オレたちと出会わなければバレないとでも思ったか。残念ながら店の中にスパイがいたりするんだよなあ。」
「また出まかせを。」
「オイラのオキニの女の子覚えてるか?」
ボクは黙って首を振る。
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