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「面白いわね。うふふ。」
彼女はそう言ってはみたものの、それ以上は何も言ってくれなかった。訳もわからずじっと座っていると、彼女はボクの手を取り、彼女の衣装の中へと導き始める。
そこには下着を装着していない素肌があった。おのずとボクの手のひらは彼女の温かい丘陵へとたどり着く。
「あの・・・。」
ボクがおどおどした顔で彼女の顔を見つめていると、
「いいのよ。可愛いわね。」
そう言って今度はなんともいえない芳香を放ちながら、そのやわらかな唇を重ねてきた。
ネットリとした吐息がボクの鼻腔から脳天へ突き抜ける。なんだかとても久しぶりな感覚だった。
その時のボクの手はというと、彼女の丘陵の上で固まっていた。スベスベとした肌触りが心地よかったのだが、なんだかいけないことをしているみたいな感覚もあり、なかなか大胆な行動を取れないままでいた。
彼女はそんなボクに次のステップへ進む機会を与えてくれる。
一旦ボクの体を引き離した彼女は、おもむろにボクの膝の上に乗ってくる。そしてボクの顔を抱え込んで、彼女の胸の中へと誘うのだ。
そこにはまるで花園のような楽園があった。いつの間にかボクの腕は彼女の背中に回っており、同時に彼女の腕はボクの頭を抱きしめるような体勢になっていた。
「おとなしいのね。」
「あの、どうしていいかわからないので。」
「いいわ、じっとしてなさい。」
ややおねいさん口調でイニシアチブをとった彼女の言いなりになるしかない。
彼女はときおり口づけを施しながら、やわらかな肌とその芳香をあてがってくれる。
そんな心地よい時間が何分あっただろう。場内のアナウンスが何かを喋っていた。
「またあとでね。」
そういい残してボクのそばを離れる彼女。
何のことかわからないボクは、薄暗闇の中でただ呆然としていた。
そして溜息を一息ついた瞬間に、またぞろ次の女の子がやってくる。
「ヒトミでーす。」
そして、また先ほどの顛末が再び繰り返されるのである。
さらには、まどろみが定着するころに、またぞろ女の子が入れ替わり、三たび顛末が繰り返される。そんな時間だった。
彼女たちが隣に座っている時間は十分に満たないぐらいか。ある程度の饗宴が一通り施されると、次の女の子に変わっていく。そして三人目の女の子が席を立ち去った後、黒服のお兄さんが現れて、次の頃合いを伺ってくる。
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