25人が本棚に入れています
本棚に追加
短い言葉で紡ぐ会話がなんとも初々しい。自分で言うのもなんだけど。
「さあ、今日は何を食べる?」
「そうねえ。」
二人で一枚のメニューを見ているとき、ときおり触れ合う指から伝わるぬくもりを感じた時に視線が合う。
「うふふ。」
その度にニッコリと笑う彼女の笑顔に癒されるボクがいる。
「今日はスープパスタにしようかな。」
ミウはトマトベースのスープパスタをチョイスした。
「ボクはいつものようにボンゴレにするよ。ワインはどうされますかお嬢さん。」
「あんまり強くないからまだオレンジジュースでいい。」
「ボクは白をもらおうかな。」
こういう会話をしているときは、時間の流れがスローに感じる。ずうっとこうしていたい気持ちになる。
オーダーを済ませて、料理が出てくるまでの間、ボクは彼女を瞳の中に焼き付ける。
会ったのは久しぶりだが、変わった様子はなかった。それでも、
「髪切った?」
半分当てずっぽうだったのだが、年末にかけて髪を切らない女の子はいないだろうと思い、聞いてみたのだが。
「すごいね。ほんのちょっと切っただけなのにわかるの?」
肩まで伸びている髪を手でスラッとなびかせて見せる。
最初のコメントを投稿しよう!