▽エピソードその八▽

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返事はしてみたものの、具体的にどうすればいいかなんてわかりゃしない。今更自分の性格や行動を直せるわけもない。 ケンさんに一括されて、苦虫を噛み潰したような顔をしていたヒデも、思い出したようにボクへ矛先を向ける。 「とりあえずプライベートの写真を撮って来いよ。ちゃんとデートした証拠にさ。」 「何でそんなことをお前に証明しなきゃいけないんだ?」 「単にオレが見たいだけだよ。そして羨ましがりたいだけさ。」 「じゃあ、ご丁重にお断りしておくよ。さあそろそろお開きの時間かな。ヒデはどこへでも行っといで。オレは帰るから。」 ボクが席を立とうとすると、ヒデも同様に席を立った。 「今日はいないんだろ、ミウちゃん。だったらこのまま帰るつもりだろ?なら、ちょっと付き合え。オレが奢ってやるから。」 「どこへ行くつもりだ?明日も仕事だぞ。」 「普通のキャバクラさ。オレのオキニがいるんだ、そこにも。それでさ、おまいさんの会話を学ぼうと思ってな。セクキャバにいくと、どうしても違うところに集中しがちだろ、だからおまいさんの純粋な会話を学ぶためには普通のキャバクラがいいと思ってな。」 するとケンさんがその話を遮った。     
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