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「優しいんだね。ボクには絶対に無理だな。でも病院勤務だったら、そんなにアッチコッチに勤務先なんてないんじゃないの?」
「そういう人を病院に派遣する会社なの。だから派遣先がどこかわからないし、転勤だってあるかも。」
「そんなに遠くへ行っちゃうの?」
「どうかな?大阪とかもあるかも。」
話を聞くたびにドンドン不安になってくる。ボクだって転勤が無いわけじゃない。全国とは言わないまでも各地に支店はある。あと二年もすれば希望を出せば転勤だってできる。ただし希望の転勤先なんて聞いてくれないけどね。
そんな折、オーダーした肉が仕上がったようだ。
「わあ美味しそう。」
こんがりと香ばしい匂いを漂わせる肉は、お腹を空かせた若者には堪えがたいご馳走だ。
「いただきまーす。」
肉を頬張るミサの笑顔もまた可愛い。
ボクは最高の天使を手に入れた。そう思える瞬間だった。
「好きだ」と言って告白し、「私も好き」って言ってもらい、やがては遠くへ離れて行くかもしれない彼女。でも、そんな先のことなんて考えていられない。今の彼女が、彼女の笑顔が好きだから。
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