序章:帰還

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  ――第一ガーベッジ[ガーネット]、エーム自室―― 『そうか。無事にたどり着けたのだな』 「はい。このまま予定通り地球降下の準備も進めます」  エームは自室である男と話していた。モニターに映る男の後ろには大量のモニターがあり、通信をしていてもその光が映っていた。 「少し不審がられましたが、長居するわけでは無いので問題はないかと」 『ふん、私が根回しをしていたからだ。この二年、一度も姿を現さなかったんだ。不審がるのも当然だろう』 「申し訳ありません」  男の嫌味にエームはすぐに謝罪する。男は鼻を鳴らし指示を出した。 『準備が整い次第、地球拠点EⅡに降下しろ。その後の事はまた指示を出す』 「降下してすぐにシェス・ラックスを倒せばいいのでは? あまり泳がせても…」 『それが出来ていればしている。だが、お前の実力を考えると難しいのだ』  エームは黙り込む。だが男は言葉を重ねた。 『二年前のガーベッジ落下作戦、お前が実力不足だったばかりにシェス・ラックスを倒せず、落下も阻止された。今度は機体の言い訳にもさせん。必ず倒せよ』 「了解しました。必ず倒します」  そう言うと通信は切られた。エームは天井を見上げて独り言を言った。 「二年前のあの時、俺がガーベッジの住民を盾に使っていれば倒せていた。だが、今度はどんな方法を使っても倒してみせる。シェス・ラックス…生きていられるのも今のうちだ…」
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