96人が本棚に入れています
本棚に追加
/829ページ
ーーサンニア、シェス部屋ーー
「そう…戦う事に決めたんだね…」
シェスはミリィを部屋に呼んで決意を話していた。
「ああ。俺に政治は向いてない。だから俺は俺なりの戦い方で平和を目指す。相手を…人を殺さない方法でな」
「シェス…なんだか吹っ切れたみたい。とても凜々しく見える」
シェスは気恥ずかしそうに頬を掻く。その時『シェス様、いますでしょうか~?』とクルナの声が聞こえてきた。
「クルナ先生? いるぜ。入っていいぞ」
クルナは『失礼します~』とドアを開ける。だが、ミリィがいることを確認すると一瞬、戸惑うような表情を見せるが「…お邪魔だったでしょうか~?」と言ってきた。
「な、何を言ってるんですか!? 私はシェスに呼ばれただけです!」
「そうだぜ。この前みたいにキスしようとしてたわけじゃないし」
「前のはする気だったの!?」
詰め寄るミリィにシェスは「いや、眠り姫って…」と言うが、クルナが「申し訳ありません。今は私のお話を聞いていただけますか?」と言ってきた。
シェスとミリィは少し真剣な表情になる。
「エンケの事か?」
「…いいえ。シェス様、あなたの脳検査の結果が出たので、そのご報告です」
「なんだ、そんな事かよ…って何か問題あったのか?」
クルナはシェスに結果表を差し出す。だが、数値やグラフだらけで一目見ただけでは分からない。
「ええっと……ミリィ、分かるか?」
「私も分からないよ…クルナ先生、何が問題なんですか?」
クルナは何も返さず悲しげな目をミリィに向ける。ミリィは首を傾げるが、シェスが「まさか腫瘍とかあったり…?」と口にしたため、クルナが「違います」と言い切った。
最初のコメントを投稿しよう!