七章:転瞬

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「皆いろんな考えがあって人によって接し方を変えてる。けど、それが人だって分かったから。そういうもんで、全員に同じようにっていうのは機械に求める物だって分かったんだよ」 「シェス…じゃあ、その…これから接し方とかを変えるの?」 「いいや? 俺自身は同じように接するさ。ただ、人がそういうもんだって分かっただけだ」  ミリィは「そう、なんだ」と返す。だが、シェスは言った。 「けど、なんかミリィは特別な感じがすんだよな。ディイスとも違う、なんかもっと違う感じが」  ミリィは一瞬意味が分からなかったが、すぐに顔を高揚させてその意味を聞こうとした時、ファミリアスが「シェス!」と叫んできた。 「な、なんだよ。いきなり大声出して…」 「こ、これ…見て…」  ファミリアスは一冊の大きな本を広げてみせる。そこにはいくつもの写真があり「…アルバム?」とシェスは近づく。  そしてグレイの姿がいくつもある写真の中で目を疑った。  その中の一枚。グレイは一人の人物と笑っていた。それは紛れもなくーー 「……エーム!?」  そう口にした時『世界連合軍に告げる!』と聞き覚えの無い声が部屋に響いた。
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