七章:転瞬

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ーー???ーー 『貴軍の降伏を求める! 逆らうのならば衛星兵器[ディサピアランス]で地球そのものを攻撃する。ディサピアランスはガーベッジを改造した衛星兵器だ。発射すれば大陸の一つを消滅出来るだろう。猶予は与える。だが、受け入れないのならば地球は生物が生きれる星では無くなるだろう。繰り返す! 貴軍の…』  ロールの呼びかけに男は不敵な笑みを浮かべていた。 「地球を浄化(クリアクォーツ)、か。つくづく下らない発想が出るものだな」 「よく言うのぅ…アレの基礎設計をワシにさせておいて…」  男の言葉に老人はため息を吐く。だが男は「知ったことか」と一蹴した。 そして少しの間を置いて老人は問いかける。 「…お前さん、大勢の人間が死ぬことは自分の首を絞めることになることは…」 「何を言っている? 俺一人で【欲望】は足りる。【希望】をもたらす機体が月面の雑魚なら、その前に消せばいいだけの話だ」  男は一つのモニターにそのファクターを映し出す。  月面のハイパーに似ているファクターを。
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