八章・疑念

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 刀身の長さ故に振り下ろすまでに時間を要し、トフィア機も下から上るように切りかかってきた。  クレオールはバーニアを噴かして対応しようとしたが、トフィア機も減速しなかったため刀身を脱した距離にトフィア機は迫ってきた。  クレオールはもう片方のレーザーソードで受け止めようとしたが、無意識に正確なレーザー射撃を切り払ってしまっていた。  トフィア機は素早くレーザーサーベルを振り上げ、レーザーソードの柄に切りかかる。この時になってクレオールは減速したが既に遅く、レーザーソードは弾かれ、手首も切られた。 「ぐおぉ!? だが、まだ!」  クレオールはすぐに反転しようとしたが、味方部隊の流れ弾が頭部に被弾し、映像が乱れる。  そこに多くのミサイルが迫っていることを警報が知らせ、距離を取るしか無くなる。それでもクレオールは歯を食いしばり、機体をトフィア機に向けた。  だが、そこに多くの砲撃が襲いかかってきた。それは紛れもなく世界連合軍の艦隊からだった。 「くっ、艦隊が到着したのか? これ以上は……無理、か」  クレオールはトフィア機から離れていく。同時にディサピアランス司令室から指令が入った。 「照射まであと五分……あれは、撃たれるのか……」
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