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でも、そこでやっぱり秀平君が、知香の気持ちをすくい取ってくれました。
この二人、割れ鍋に綴じ蓋っていうんですか、相性がいいと思うんですけど。
秀平君は、どういうつもりなんでしょうか。
あの見た目であんな風に優しくされたら、私だってコロッと参りそうですよ。
あらいやだ、おじいさんに怒られますね。
秀平君は一見、クールでとっつきにくい雰囲気なんですけど、お顔はとっても整っているんですよ。
でも、一定の距離以上は、知香にも踏み込ませようとしないんですね。
だから、甘い空気になりかけても、それを壊してしまう。
知香の恋は、前途多難なようです。
その知香も今日はご機嫌でした。
昨日とは一転、張り切って、色んな本を見たり、計算をしたり、パソコンで調べたり。
どうやら、おじいさんに作って持って行く料理について、考えているようです。
ああ、いつもの知香だな、と思えます。
ここに来た日の、あの沈んだ目とは違って、いきいきしていますからね。
引き続き、この神棚から知香を見守っていこうと思います。
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