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透先輩と別れた大学一回生の夏休みは
引きこもって ふさぎ込んでいたけど
学校が始まると そういう訳にはいかなくて
少しづつ 日常を取り戻していきました。
暇さえあれば余計なことを考えてしまうので
なるべくバイトを入れたり
友達と遊んだり
それなりに充実した大学生活を送ってました。
ふとした瞬間に
どうしようもない淋しさが込み上げてきて
大きな喪失感に襲われることもあったけど
時間とともにその回数も減ってきたかなー。
特に松本くん、和田くん、恭子ちゃんとは
相変わらず 仲良しグループで
4人でバカなことを言いあったり
遊びに行ったり
自然体で居られる気楽な仲間でした。
私が 透先輩と別れたことを伝えると
必要以上に突っ込まず
『じゃあリホちゃんが傷心の間は
毎日誰かが遊んであげよ~(笑)』って言ってくれて。
その言葉に甘えて、
毎日誰かに 一緒にいてもらいました。
でも和田くんと2人きりで遊ぶのだけはナシ。
なんでなん?ってみんなに不思議がられました。
『彼女がいる人と2人で遊ぶのは
彼女が良い気がしないかもしれないから。』
透先輩との別れで学んだことだよ~って
おどけてみたら 大笑いされたけど。
でも本当にそうだもん。
このメンバーでいるとずっと笑ってるので
時間が過ぎるのも早いし
イヤなことも考えないし
思ったより早く立ち直れたのは
間違いなくみんなのおかげです。
その年末に弥生ちゃんや雅人くんたち
バレー部のメンバーで忘年会をした時には
透先輩と別れたことを普通に話せるくらいに
なっていました。
別れてすぐは
『とおるせんぱい』って口にするだけで
声が詰まって 涙が出てたのに。
気持ちってこうやって薄れていくのかな。
薄れていくの?
消えるの?
それとも上書きされるの?
たまにそんな答えのないことを考えてみたり。
そして月日は流れて 大学2回生の冬。
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