1.ココロの中まで素直じゃない

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透先輩と別れた大学一回生の夏休みは 引きこもって ふさぎ込んでいたけど 学校が始まると そういう訳にはいかなくて 少しづつ 日常を取り戻していきました。 暇さえあれば余計なことを考えてしまうので なるべくバイトを入れたり 友達と遊んだり それなりに充実した大学生活を送ってました。 ふとした瞬間に どうしようもない淋しさが込み上げてきて 大きな喪失感に襲われることもあったけど 時間とともにその回数も減ってきたかなー。 特に松本くん、和田くん、恭子ちゃんとは 相変わらず 仲良しグループで 4人でバカなことを言いあったり 遊びに行ったり 自然体で居られる気楽な仲間でした。 私が 透先輩と別れたことを伝えると 必要以上に突っ込まず 『じゃあリホちゃんが傷心の間は 毎日誰かが遊んであげよ~(笑)』って言ってくれて。 その言葉に甘えて、 毎日誰かに 一緒にいてもらいました。 でも和田くんと2人きりで遊ぶのだけはナシ。 なんでなん?ってみんなに不思議がられました。 『彼女がいる人と2人で遊ぶのは 彼女が良い気がしないかもしれないから。』 透先輩との別れで学んだことだよ~って おどけてみたら 大笑いされたけど。 でも本当にそうだもん。 このメンバーでいるとずっと笑ってるので 時間が過ぎるのも早いし イヤなことも考えないし 思ったより早く立ち直れたのは 間違いなくみんなのおかげです。 その年末に弥生ちゃんや雅人くんたち バレー部のメンバーで忘年会をした時には 透先輩と別れたことを普通に話せるくらいに なっていました。 別れてすぐは 『とおるせんぱい』って口にするだけで 声が詰まって 涙が出てたのに。 気持ちってこうやって薄れていくのかな。 薄れていくの? 消えるの? それとも上書きされるの? たまにそんな答えのないことを考えてみたり。 そして月日は流れて 大学2回生の冬。
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