4.回想

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バスの出発時間ギリギリまで遊んでいたので 帰りは1番後ろの座席には座れなくて ヒデくん・恭子ちゃん 松本くん・私 和田くん・マリエちゃん こんなふうに座りました。 『なぁ、リホさぁ、 学祭の3日間とも大学行く?』 『まだ考えてないけど…なんで?』 『スタッフ募集中やねん。 手伝って?』 『え~。委員会とか頻繁過ぎてイヤ。』 『委員会は出なくて大丈夫。 前日の準備と学祭の3日間だけ。 手伝ってくれるんやったら Aランチにデザートも付けよう!』 『Aランチより学祭出店のものがいいな。』 『オッケー! よし!決まり~! バイト入れたらあかんで。』 少し話しが途切れて、松本くんの方を見ると スヤスヤ眠ってました。 いつの間に寝たの? 今までしゃべってたのに(笑)。 バスの揺れが眠気を誘うし いっぱい遊んでクタクタだもんね。 私もちょっと寝ようかな~って思ったとき コテン 。 松本くんの頭が私に寄りかかってきました。 ピキーーーーンっ!! ひゃーー。 どうしよう。 動けない……。 『これ食べる~?』 前の座席に座ってる恭子ちゃんが 後ろを向いてお菓子を差し出してくれました。 『ありゃ。 松本くん、寝ちゃったん?』 動くと起こしちゃいそうで そーっと頷くと 恭子ちゃんに みてみてー!と呼ばれた ヒデくんも 座席の上からヒョコっと顔を出しました。 『マジで寝てんの?子どもかっ(笑)。』 『ふふふ。リホちゃん、動けないんやね? そのままで大丈夫?? ヒデと席、かえっこする?』 『ううん。大丈夫。』 『そ? じゃあ ハイ チーズ。』パシャ。 恭子ちゃんは写メを撮って見せてくれました。 その写メに写った私はびっくりするくらい 真っ赤でした。 松本くんが起きるまで ドキドキする中でいろんなことを考えました。 あったかかったり 苦しかったり お腹の真ん中がぎゅっとなるこの感情の正体。 その正体をホントは理解っています。 あぁ。 私は この人にドキドキしてるんだ。 でも………。 だめ。 恋愛感情は今の関係を崩しちゃうよ? 友達だったらずっと ずっとこんなふうに一緒にいられる。 1度自覚した想いを ぎゅう ぎゅう と ココロの奥に押し込めることにした私は この後 1年近く 自分をも ごまかしながら過ごすのでした。
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