5.意識しすぎの続き

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『私がそうなんかなって思ったんは 1年くらい前やねんけどな~。 ほら。松本くんがゼミの先輩に気に入られて 学祭の実行委員に引き抜かれたころ。 先輩がぐいぐい押してて 松本くんも委員会の仕事のこともあるから 先輩のこと 無視するわけにも行かなくて ちょっと仲良くなってたころ。 リホちゃん、どよーんとしてたやん。』 『………。 めっちゃ隠してたつもりやのに。』 『だって、リホちゃん顔に出まくりやもん。 ちなみにヒデたちも みんなわかってたからね? リホちゃんが松本くんのこと好きっぽいって。 でもさ、なんで隠す必要があったん?』 『隠すというより、ごまかしてたんよ。 好きじゃないって思いたかったから。 友達やったら ずっと友達やもん。』 それから、別れが怖いこと。 好きって思うのが怖いこと。 関係が崩れるのが怖いこと。 もし松本くんに彼女が出来ても 友達なら友達でいられると思ったこと。 今まで思っていたことを 初めて話しました。 何故そう思うようになったのかと問われて 透先輩との別れの理由も このとき初めて 詳しく 話せました。 『だから 彼氏はいらないってずっと言ってたん? バッカじゃないの? リホちゃんはね、ホントは 松本くんがリホちゃんのこと好きなことに 気付いてたでしょ? リホちゃん ズルいわ。 いくら鈍感なリホちゃんでも ちょっとは もしかしてって思うこと あったでしょ? あんなにずっと一緒にいて ずっと特別扱いされてて わからないわけがないやん。 もし松本くんに彼女が出来ても 友達なら友達でいられる?? そんなん、松本くんに彼女が出来るって 本気で思ってないから言えるんよ。 怖い、怖いって言うけど別れんように 自分が努力すればいいことやん。 そんなん当たり前のことやん。 意地っ張りにも程があるよ。 松本くんは透先輩じゃないんやから! こんなに待ってくれてたことに感謝して、 これからはちゃんと向き合わないと 失礼やからね! わかった?』
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