3.怪盗バレンタインはお前だー!

2/5
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
ー放課後。俺たちだけが教室に残っていた。 「石川氏、怪盗バレンタインはただの嫌がらせでござる。拙者、用事があるので帰りたいでござる」 「タカハシに同意。僕も塾があるから、遅くは残れません」 「もう犯人なんかいないんじゃねえのか?」 皆が帰りたそうにしている中、俺は怒りを抑えながら話し始めた。 「もう犯人はわかった」 「「!?」」 夕日の淡い光が教室を照らす。どこか哀愁漂う教室が、俺の一言で静まり、さらに寂しさを感じさせた。 「よく騙してくれたな…アキラ!なんでお前がこんなことをやったんだよ?覚悟はできてるか?」 「笹木氏!」 「アキラが?」 皆の視線がアキラに集中する。アキラは呆れたように乾いた笑いをした。 「何言ってんだ?俺はずっとタクミと一緒だったじゃねぇか。俺にいつできるんだよ?」 余裕こいてるのも今のうちだぜ? 「アリバイが完璧すぎるのも気にかかっていた。 担任の発言で俺は違和感に気がつけた」 「違和感だと?」
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!