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ー放課後。俺たちだけが教室に残っていた。
「石川氏、怪盗バレンタインはただの嫌がらせでござる。拙者、用事があるので帰りたいでござる」
「タカハシに同意。僕も塾があるから、遅くは残れません」
「もう犯人なんかいないんじゃねえのか?」
皆が帰りたそうにしている中、俺は怒りを抑えながら話し始めた。
「もう犯人はわかった」
「「!?」」
夕日の淡い光が教室を照らす。どこか哀愁漂う教室が、俺の一言で静まり、さらに寂しさを感じさせた。
「よく騙してくれたな…アキラ!なんでお前がこんなことをやったんだよ?覚悟はできてるか?」
「笹木氏!」
「アキラが?」
皆の視線がアキラに集中する。アキラは呆れたように乾いた笑いをした。
「何言ってんだ?俺はずっとタクミと一緒だったじゃねぇか。俺にいつできるんだよ?」
余裕こいてるのも今のうちだぜ?
「アリバイが完璧すぎるのも気にかかっていた。
担任の発言で俺は違和感に気がつけた」
「違和感だと?」
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