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朝食を食べ終えた俺は、軽く身支度を済ませる。
鏡で己の姿を確認する。
どこにでもいるような平凡な男子高校生。ブサイクなわけでもないしさ、いいじゃん、俺!きっとモテ期は到来する。ガッついてはダメだ。
[AM6:30]
いつもよりもかなり早く、学校に行こうとすると母に止められた。
「帰ったら、お母さんのチョコあげるね」
「い、いらねーよ」
この歳で母のチョコもらうとかマジ恥ずかしいし。
それに、今年こそはチョコがもらえるかもしれないし。
「鼻の下伸ばして…。私は兄ちゃんにあげるチョコはないからね」
「いらないって」
妹からもらうチョコに喜ぶほど、俺もシスコンではないしな。俺はため息をつきながら、家を出た。
今日の天気は、気持ちの良い晴れ。ご機嫌よく、学校に向かう途中に、後ろから声をかけられた。
「よ、タクミ!」
「おはよう、アキラ!」
爽やかに登場したアキラこと、笹木明は俺の親友だ。幼稚園の頃から同じ学校に通い、家も近くでいつも一緒だ。クラスも同じだ。
スポーツができるが、学力は無し。けど、熱血でみんなからも人気がある。が、モテない。しかし、いつも遅刻常習犯であるアキラがなぜ、この時間に?
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