1.初めてのバレンタインチョコ!?

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「今日は早いな」 俺は何気なく聞いた。そしたら、アキラは少し笑った。 「今日はあの日だからな。チョコ、貰えないかなぁと思うと眠れなくてさ」 「いや、俺らの中では誰ももらえないと思うぞ」 「そういうタクミこそ、早いな。お前も期待してるんだろ?」 俺たちは照れ臭いが、顔を見合わせて笑った。 いつもより早いためか、通学路であるここ住宅地ゾーンも静かで混んでいない。初めて、気持ちの良い通学かもしれない。 [AM7:00] 俺たちは学校に到着した。今日は早いから、教室はまだ空いてないだろう。鍵を取りに行くのは面倒だな。 とりあえず、上履きに履き替えないと。下駄箱に向かうと、そこでもう1人の友人に出会う。 七三分けのピッシリとした髪、細長い銀縁眼鏡。 「珍しく、早起きですね」 「メガネに会うとは不覚!」 「相変わらず面白い髪型してるな」 「僕の容姿をいじるのはやめなさい!それに、僕の名前は香川総一郎です」 総一郎ことメガネは学年でも優秀なくらい真面目で賢い。ただし、運動はダメだ。アキラとは正反対だと思って構わない。 真面目ゆえに弄りたくなる…なかなか面白い友達だ。
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