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「メガネも早いな。お前もチョコ、期待してるのか?」とアキラは笑った。
メガネは眼鏡をグイッと指で押し上げた。
「ああ…今日はお菓子業界の陰謀の日ですか。僕は日直なので、早く来ただけですよ。興味ありません」
「フフフ、香川氏嘘はいけませんぞ。拙者は何度も教室と下駄箱を行き来してるのを見てるでござる」
下駄箱の陰から現れたのは、もう1人の友達だ。
少しぽっちゃりしたアザラシのような体型。彼の名は、高橋佐介。俗に言うオタクだ。
「そ、それは!」
「まぁまぁ、いいじゃねぇか」
俺はこんな早くに友達が集まって、少し嬉しかも。なんだかいいことでもありそうだ。
「とりあえず、教室に上がろうぜ」
「そうだな」
メガネとタカハシはすでに上履きに履き替えているので、廊下で俺たちを待っていた。俺らも上履きに履き替えるために、各々の下駄箱を開ける。
コロン…?何かが転がって足元に落ちた。俺は靴を中に入れ、上履きを取り、足元のそれを拾った。
ハート柄の小さな可愛い箱に赤のリボン。ああ、今日はバレンタインだから、チョコが入ってたのか。
ん…チョコ?チョコ!?
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