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「やったぁぁぁぁー!!ついに、この俺にも春が来たー!」
あまりの嬉しさに俺は全力で叫んだ。生まれてこのかた、チョコは母からしかもらえなかったのに。本当に…。
「タクミ、お前」
俺は驚いた表情で固まっているアキラに、チョコの入った箱を超絶笑顔で見せびらかした。
「フフフ、悪いなアキラ。今年の俺は一味違うらしいぜ」
「お前らー!裏切り者が現れたぞ!お前だけいい思いをさせるか!」
チッ、アキラ。俺の幸せの邪魔をするのか?
「まさかタクミ、僕たちを裏切るのですか?」
「石川氏、抜け駆けはずるいですぞ」
「みんな、悪いな。今日から俺はリア充だ」
「タクミ!!リア充撲滅隊の名が泣くぞ。裏切り者を捕まえるぞ!」
みな一斉に俺を捕まえようと俺に近づく。俺は、軽く避け、みなから逃げた。この日の為に俺は無駄に身体を鍛えていた。今こそ真の力を見せるときだ。
しかし、なかなかしつこいな。何としてでも俺からチョコを奪う気か?特にアキラの身体能力は高い。
仕方ない。俺はフェイントをかけ、男子トイレの個室に逃げ込んだ。
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