BANANA

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本物の愛を失った頃から、 私は徐々に人を試すようになった。 転校した小学校で、顔がかわいい子から 顔だけしか取り柄の無い子に変わり、 担任に呼び出される度、 おばちゃんは深く長い溜め息をついていた。 両親の代わりに、むちゃくちゃ言うても受け止めてくれる相手を私はどこかで捜していた。 いっその事ぐれたら良かったのに、 曲がった心の捌け口は、 女子のように意地悪やない男子に向かう。 顔だけでチヤホヤしてくれて、 【あおちゃんが世界で1番かわいい!】 って言ってくれる男の子。 小学生のくせして色目を使う、と私にいうたんはおばちゃんやった。 やからおばちゃんは、私に無理矢理、 中高一貫の女子校を受験させた。 女子に嫌われる私にとっては地獄。 でも口答えすれば施設に入らなければいけないかもしれない。 善意のふりした悪意は、常に私につきまとった。
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