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レッツゴー1年生
晴れた日の午後、一人の少年が息を切らして走ってゆく。背中で揺れるランドセル。風になびく給食袋。少年は大通りを抜け、マンションの一室へと消えてゆく。
扉を勢いよく開けて、乱雑に靴を脱ぎ捨て、自分の部屋へ。台所で夕食の準備をしていた母が、「ジュンペイ。 ただいまぐらい言いなさい。それに外から帰ったら、手洗いうがい。」
「うん。夕食までにはやるよ。」自分の学習机の引き出しから銀色の携帯ゲーム機を取り出しながら言う。
「何言ってるの。 今すぐしなさい。 お手々がばっちいでしょうが。」
「はあ~い。」ゲーム機を机の上にひとまず置き、洗面所へ。手洗いとうがいをテキトーに済ませ、自分の部屋へ戻ろうとする。すると、「ちょい待ち。」母に襟首を掴まれる。
「何?母さん。やるべきことは全てやったよ。」
「新しい『レッツゴー』届いてるわよ。早速やりなさい。」
洗面所から玄関を見ると、白いダンボールが。側面の下側には「レッツゴー1年生」の文字。
「え~っ。また届いたの! この前出したばっかじゃん。」
「30日に提出するからこうなるのよ。 今度は早めに片付けなさい。ね。」
「俺、今それどころじゃないんだよ。」
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