発覚

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発覚

 ある日突然、パーティメンバーのレベルが5だったことが発覚した。  町外れの雑木林で、食料を調達していた時のことだ。 「……は?」 「え? そんな驚きます?」 「……えと、もう一回言ってくれるか……?」 「だから、僕5レベルなんです」  衝撃的すぎて、膝から崩れ落ちる。厚めの本を脇に抱えた5レベル男、レベッタは大声で笑った。その手には、束になった枝葉が握られている。  完全に今、俺たちは真逆の顔をしているだろう。  因みに、パーティと言うのは、魔王討伐を共に目指す集まりの事である。“冒険仲間”と称した方が分かりやすいかもしれない。  勇者である俺は、その仲間たちと切磋琢磨しながら共に旅をしてきた。  ――と思っていたんだが。  ただいま発覚したそのレベルは、旅仲間としては衝撃的な数字だった。数秒の間、絶句してしまうくらいにはヤバい。  このレベルで冒険出来るのは、初心者向けの街が限界のはずだ。運良く進めても、次の次くらいまでか。  そのはずなのだが、今は大分進んだ街に来ている。なんてこった。何が起こってこうなったんだ。
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