0人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
そして、一同が動く。
「私も、いただきます!」
「いただきます」
「いやあ、これは美味しそうだ」
次々と、花の蝋細工を口に放り込んでは、時々うぇっとなりながら、楽しそうに食べた。
(蝋じゃねえか!)
(チョコじゃない)
(苦行・・・)
部下が自分に倣って食べ始めたので、チョコレートではなく蝋細工の花だと露見してしまった千代田は、内心焦った。
だが部下たちは、なんだか都合の良い方向に誤解しているようなので、とりあえず自分のプライドは守り切ったと、千代田は胸を撫で下ろした。
しかしある一言で、彼らの努力は、一瞬にして水泡に帰すことになる。
「ねえ、それチョコじゃないよ」
最初のコメントを投稿しよう!