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彼らが振り向くと、そこには小学生くらいの少年がいた。
今日のパーティーは、一応、子供連れでも良いことになっていたのだ。
「それ、飾りだよ。なんでおじさんたち、そんなもの食べてるの?」
少年は、とても正直に、残酷な真実を伝えた。
「君、失礼だなあ。これは、チョコレート、だよ?」
幹部のひとりが、少年を諭すように、優しく話しかけた。
心のなかでは、空気読めや、とギリギリしていた。
えー本当に?と少年が近づいて、花のひとつを口に放る。だが、すぐに吐き出して、
「ローソクだよ、これ。チョコな訳ないじゃん」
皆が言えなかったことを、あっさりと口にした。
幹部たちが何かを言おうとした、その時、
「君の・・・言う通りだ・・・」
そう、千代田が言った。
その目からは涙が零れ、ガクンと崩れ落ち、床に膝をついた。
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