それは新しい形でしょう

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「では、アンドロイドということは置いておきましょう。私達、お互いの一応の性自認が女であることはどう思っているのですか」 「それこそ古臭いわね。同性同士のカップルなんて山ほどいるわ」  ナンセンスよ、と指を振ってみせる。 「どうせ私は古いアンドロイドです。つまりあなたとは年の差、というものがあります」 「人間でも年の差で結ばれている人はたくさんいるのに、明確な寿命のないアンドロイドが年の差なんてそれこそ馬鹿らしい」  どうしてそんなことを気にするのかしら、と私は首を傾げた。 「本当にいいんでしょうか」 「なにがだめなのよ」 「アンドロイド同士の恋愛だなんて」  憂いの表情を見せる彼女に、彼女よりうんと新しく作られた私はからからと明るく笑ってみせた。 「いいと思うよ、私は。これも新しい愛の形だよ」  だから、と彼女の瞳に模したカメラの部分をじっと見つめる。 「私とお付き合いしてください!」  私の告白に、彼女はふっと笑った。  私のデータベースに狂いがなければ、それは微笑みではなく、悪戯っぽい笑みだ。 「……まずは、お友達からということで」 「友達ですらなかった!?」  なんてことだ、と呟く私に彼女はくすくすと笑った。  冗談ですよ、とくすくす笑う彼女に見惚れてしまったのは、仕方ないことだろう。  アンドロイドだって、アンドロイドに恋をするのだ。
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