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再びその島に動きがみられたのは今から1年ほど前、軍事衛星が軍事演習場と思われる施設の整備を始めていることを捉えたのである。軍部は大騒ぎとなった。生物兵器の開発が行われているとみられた場所に軍事演習施設が作られるとなれば、やることはただ1つ、そう、生物兵器を使った実戦の訓練である。
諜報部はありとあらゆる手を使って、情報を集めようと躍起になった。そして、ついに驚愕の映像を入手することに成功したのである。それは、監視カメラが捉えた10数秒の映像であった。M国では国民を監視するために国中に監視カメラのネットワーク構築が進んでいる。諜報部はそれを利用して、侵入を察知されるまでのわずかな時間ではあったが、監視カメラをハッキングすることに成功したのであった。
島で行われていたのは予想を超える恐るべき計画であった。監視カメラが捉えた映像には、10代前半と思われる少年兵が10数人、訓練を行っている様子が映し出されていた。一見何の変哲もない、軍事訓練の映像である。しかし、それを見ていた諜報部員が気がついた。
「こいつら皆同じ顔していないか?」
はじめは冗談のつもりであった。だが、同僚の諜報部員がそれを聞いて、はっとさせられたらしい。食入るように画面を見つめ、映像を何度も繰り返し再生したあと、こう言った。
「間違いない、こいつら顔から体格までそっくりだ。」
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