1.大好きなあの人を想う

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そうして、大雅はこれまた無遠慮に人の手の甲にキスをしてから言う。 なんていうか、大雅はキス魔なのだ。 多分、きっと。 私の動揺なんてお構いなしに、隙さえあればキスをする。 「困らないでよ。 私は年齢的に対象外なんだから、仕方ないじゃないっ」 本当に、今日の私はどうかしている。 次から次に秘めた想いを口にしてしまう。 それはきっと、大雅があまりにも切ない瞳で私を見つめるからだ。 ズルい。 大雅に惚れている私は、どうやったって彼に勝つことなんて出来ないのだ。 「じゃあ、年齢的に対象だったら、私と結婚してくれますか?」 ……これって、私を窒息死させる遠まわしの殺人かしら? そう疑わずにはいられないほど、真っ直ぐな眼差しで大雅が私を見つめてそんなことを聞いてくる。 「そそそそそそ、そんな仮定したって仕方が無いじゃない。 無理なものは無理なんだから。 いいもん、私は一生大雅の妹で居てあげるんだからっ」 そう。 それが、悩みに悩んで私が決めたポジションなのだ。 優しい大雅はきっと一生「妹」である私を大事にしてくれるに違いない。 それでも、いいやって。 悩みに悩んで、ちゃんと決めたんだから。
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