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『そう、全てだ。「私」が知りたかったこと全て。例えば、SGの正体について』
にやりと笑う〈私〉の言葉に「私」は拒否を示そうとしました。
しかし出てくる単語の数々はどれもあまりに蠱惑的で、それゆえ「私」は沈黙する事しか出来ません。
それすらもお見通しとばかりに〈私〉は口角を吊り上げ、続けました。
『あれは星の自死だ。地球意志は確かに存在する。そしてある時、思ったのだ。
「もう終わりたい」と。
この宇宙は広漠に過ぎる。
漆黒の闇に浮かび続ける50億年の孤独は、それを選ばせるに充分だった。
あの崩壊は、星の願う自らの行く先。
地球が抱いた絶望や孤独に同調した者から、その夢に侵されていったのだ』
にわかには信じがたい言葉の連続に、眩暈を起こしそうでした。
ですが眼前に立つ超常的な存在の言葉にはひとつの浮つきも淀みもなく、有無を言わさぬ何かがあります。
『しかしその中で、お前は選ばれた。
あるいは地球は、最期に〈私〉を産むための存在だったのかも知れない』
「選ばれた? SG耐性の事か?」
『そうだ。お前はあの時、地球上で最も希望に溢れ、それを地球全土へと拡散させるに足る存在だった。
だからこそ【私】はSGに対抗し、星の自死は随分と先延ばしになった。
しかしそれももう終わる』
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