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前回の【私】は、キャベツの味でした。
酢と塩味が程よく効いて、とてもおいしいザワークラウトだったと思います。
今回の【私】はアスパラガスの味がする予定です。
きっとおいしく調理されることでしょう。けれど。
その次も。
その次も次も。
その次も次も次も。
その次も次も次も次も。
ずっと、ずっと。
「私」は【私】を続けなければなりません。
『工場』で『生産』され、調理の末に世界中の人達に食べられながら。
そして、時折「私」に解体されながら。
すべてはいつかの終わり、〈私〉に辿り着くために。
あと一億千四百七十万九千四百十七回……
あと一億千四百七十万九千四百十六……
あと一億千四百七十万九千四百十……
あと一億千四百七十万九千四百……
あと……
END
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