ドッグファイターRYO

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一番ダメなのがサーキットのレースドライバーだった。彼らはとにかくスピード狂で、前のクルマを追い抜かなければならないという強迫観念に駆られているような連中だ。しかし、LVSでは競技中に時速100キロに達することはほとんどないし、前のクルマを抜いてしまったら負けがほぼ確定するのだ。なので、レース出身のLVSドライバーはほとんどいなかった。 --- ジムカーナの大会で何度か優勝した俺は、とうとうJAF主催のLVS中部選手権にエントリーした。N(ナンバー付き中改造車)カテゴリーのクラス3(1,000cc以上の二輪駆動車)だ。 場所は、ジムカーナで何度も足を運んだ富山のスキー場、イオックス・アローザに併設されているスポーツランド。競技フィールドは長辺80メートル、短辺50メートルのペーパークリップ・オーバルトラックと同じ形にクラッシュパッドを並べて作られる。競技中にこのクラッシュパッドに接触してしまったら、その時点で失格負けとなる。 競技の直前に車検がある。この時点でレーザーガンとセンサーが取り付けられ、動作がチェックされる。車体がちゃんと規定に従っているかも当然チェックの対象だ。     
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