栖原君、手に持っている黒いものは何かな?

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その後、藤田さんは製作するものが他にあるらしく、そのまま学校に残っていた。 俺は藤田さんに何をしてあげられるだろう。 俺は彼女の純粋な趣味友にはなってあげられない。技術以前の問題だ。藤田さんのために、などという心持ちで、その立場にはいられない。 であれば、俺は藤田さんの自信や元気を取り戻す方向で動くべきだ。 自己満足かもしれないけれど、彼女の手を借りずに俺自身の手で、一つ何かを作ってみよう。そして、それを彼女にプレゼントする。 けれど、その実現のためには、迷惑にならない程度に藤田さんに教えを請い、技術を高めなくては話にならない。そして、プレゼントするからには、どこかで目標を定めないといけない。やることは盛りだくさんだ。 いつにしようと考えていると、カレンダーのとある日が目に入る。この日しかない。それならば、作るものはアレしかない。俺は覚悟を決めた。
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