栖原君、それアラザンじゃないよ

5/5
前へ
/15ページ
次へ
幸せそうな顔の藤田さんと別れた後、俺は百円ショップに向かった。 手先が不器用で作れないかも、と思ったけれど、物は試しだ。 ああいうストラップの材料は、樹脂粘土というらしい。藤田さんの言った通り、製作キットが売っていた。 可愛らしいマカロンと、個性的なエビフライのキットを両手に持ち、俺は会計に向かったのだった。 それから家に帰って触っては見たものの……結果はお察しの通り。 いいや、過程は良かったはずなのだ。粘土を捏ねるのはすごく楽しかったし。 けれど結果としては、ビビットカラーの樹脂粘土が形容しがたい醜悪なマーブル柄となり、俺の心を苦しませたのだった。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加