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「ーーおい聞いたか? エルフの村に続く長い道があんだろ? あそこに超強い魔物が現れたらしいぜ。何でも道の半分を吹き飛ばしたって噂だ」
「あのやけに緑が生い茂った道をか? んなことして誰が得するってんだ」
「知らねぇよ。魔物の考えてることなんざ」
「んま、それも根も葉もない噂だろ? んなことよりも飯だ飯。腹が減っては何とやらだ」
ガハハハ! と笑いながら、俺たちの後ろを通り過ぎてゆくガタイの良い冒険者二人。
俺は二人が話していた「噂」とやらに『心当たり』があったため、内心吐きそうになりながらも何とか抑えた。
この間のゴブリン退治を終えてから、やっとこうしてみんなで集まって慰労会を開くことができた。
ホントにあの時は死ぬかと思った。
考えがあってのクエストではあったが、考えが及ばずに引き起こした事態もいくつかあった。
それらを踏まえて色々と反省するところもあるが、今はこうして頑張ったことに対して労う時間をとってもいいだろうと、仕方なくではあるが開くことにしたのだ。
席はいつも通りの「各離席」。そこに四人陣取ってテーブルを囲み、俺の右隣はドラ、正面がユーリス、左隣がマイとなっている。
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