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「──なるほどのぉ。要するに君は、マイの手によりこの世界とは別の世界から召喚された『異ノ者』という訳か……」
白く長い髭を左の指先で弄ぶ、長身の老人。
名をマユリカと言う、まさに魔導師!といった風貌の老人。
まぁ、見た目の通りホントの魔導師だったらしく、マユリカの名を知らないものはこの大陸上では存在しないほどだと、幼女が自信満々に話してくれた。
俺とこのこけし幼女の醜い言い争いは外にまで聞こえていたらしく、大体の理由は察したマユリカは部屋に入った瞬間に『言語を奪う魔法』を行使してまで止めに入ったらしい。
まさか異世界転生して最初に出会う魔法が言語奪うって……。
もっと他にメジャーなのあっただろうなんて言うに言えず、俺とこけし幼女は老人に連れられ小さな部屋へと招かれた。
部屋の中は1LDKほどの間取りで、奥には書庫にもあった暖炉がパチパチと音とたて燃えている。
書庫もここもそうだが、室内かつ本などの燃え移りそうなものがある場所で危なくないか? と聞くと、「燃え映らんように施してある」のだそうだ。
詳しくはわからないが、それも恐らく魔法なのだろう。
魔法という存在に胸を昂らせていると、マユリカは持ってきた椅子を暖炉の近くに二つ並べ、元からあった大きな椅子に腰を降ろした。
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