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ぐるりと周辺を見渡してみると、まず目に映ったのは大きな本棚。
それも一つ二つではなく、いくつもの巨大な本棚がズラリと背を並べていた。
まるで本の森に迷い込んだかのような威圧感すらも感じさせる光景は、ここがただの「図書館」のような施設では無いことを感じさせる。
図書館なら、あんなに堂々とした暖炉を設置したりしないだろうし、何よりあったとしても燃え移る可能性を考えて火なんてつけないはずだ。
それに、これだけ広いのに部屋にいるのは俺と、炎の目の前で必死に詩い続ける幼女の二人。あまりにも少なすぎる。
故に、幼女はああして『ただの願望』を垂れ流しにした詩を口ずさむことが出来るのだろうが。
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